人生の転機に訪れた冬の鹿島神宮|私の背中を押してくれた参拝の記録

​新しい1年の始まりを感じる1月下旬の土曜日。

私は、茨城県にある関東最古の神宮、「鹿島神宮」へ向かいました。

日本全国に約600社ある鹿島神社の総本社で、「強い神社」「武の神様」そんな言葉をよく目にしていたから、どこか緊張する場所なのかもしれないと思っていました。

しかし、冬の凛とした空気の中で過ごす時間は、日常で溜まった心の澱を静かに洗い流してくれるようでした。

​今回は、実際に訪れて感じた「冬の鹿島神宮」の魅力と、参拝時に知っておきたいちょっとしたヒントを、私の体験とともに綴ります。

目次

私が鹿島神宮を訪れた理由。「鹿島立ち」という言葉に導かれて

​実は今回の参拝、少し特別な意味がありました。

私自身、ちょうど人生の大きな転機に立っていて、「よし、こっちの道で行こう」という自分の決断に、最後の一押しが欲しかったのです。​

古くから防人や武士たちが旅立つときに、道中の無事を祈ったとされる「鹿島立ち」。

その言葉にあやかって、私も新しい一歩を力強く踏み出すための勇気をもらいに行ってきました。

京都にある「祇王寺」。冬の気配が濃くなり始めた奥嵯峨を歩き、彼女たちの足跡を辿ってきました。

冬の参道の​賑わいと、静寂の境界線

車でのアクセスが便利な鹿島神宮。

​1月下旬の土曜日ということもあり、車を停めることにも混雑を予想し、少し身構えていました。

しかし意外にも周辺の駐車場はいくつか点在しており、待つことなくスムーズに車を停めることができました。

鹿島神宮周辺の駐車場はほとんどが500円と良心的。

車を降りると、そこには冬の寒さを吹き飛ばすような活気ある光景が。

​堂々たる鳥居をくぐると、その賑やかさは遠のき、ピンと張り詰めた神聖な空気へと変わります。

鳥居をくぐってから本堂に向かう参道には、チョコバナナや地元の漬物などいくつかの出店が並んでいました。娘はチョコがパリパリのチョコバナナを食べてご機嫌。
こうした賑わいもまた、冬の参拝の醍醐味です。

​対照的な二つの社。本殿と奥宮が教えるもの

​奥宮

鹿島神宮でまず向き合うのは、威厳を感じる重厚な造りの「本殿」です。

この日は多くの参拝客で行列ができていました。

冬の空気がより一層きりっと整えられているような場所で、列に並んで待つ時間さえも神様と対面するための大切な助走のように感じられました。

​本殿の華やかさに心を躍らせた後は、その奥へと続く「奥宮」へ。

本殿の重厚さとは対照的な奥宮は、装飾を削ぎ落とした武骨な造り。

その姿は、鋭くも深い祈りの力が宿っているようです。

こちらも行列ができ、一人ひとりが静かに内側と向き合い、背中を押されるような感覚でした。

動の本殿と、静の奥宮

二つの社を巡ることで、自分の中のバランスが整っていくような感覚を覚えます。

木々に囲まれた参道が、まるで異世界

私の中で鹿島神宮の真骨頂とも言える、本殿から奥宮までの参道。

約300メートルにわたって続く参道は、数百年の時を刻んだ巨木に囲まれ、まるで別の時代、あるいは異世界へと迷い込んだかのような静寂に満ちています。

キリッと冷える参道の空気の中、木漏れ日から漏れる太陽の光を感じながら、

『夏に訪れたら気持ちいいだろうな』

そんな事を思いました。

参道の途中には「鹿園」があり、鹿の姿を見かけました。
柵があり近づくことはできませんが、「鹿島」という地名だけあって、鹿を大切にしている様子が伝わります。
奈良ほど観光地化されていなくて、あくまで「ここに暮らしている存在」という距離感が印象的でした。

​水の記憶と、冬に溶ける温かさ

​奥宮をさらに進み、深い森の底へと坂を下っていくと、伝説の湧水地「御手洗池(みたらしいけ)」が現れます。

冬の池は驚くほどに透き通っており、その清らかな水の中を大きな鯉たちがゆったりと泳いでいました。

鏡のような水面に映り込む木々と鯉の姿を眺めていると、時の流れが止まったかのような錯覚に。

写真で見るよりも、実際に目の前にすると静かだけど力のある場所で、観光名所というより、「立ち止まる場所」という表現の方がしっくりくる場所でした。

参拝後に食べた「みたらし団子」が体に染みる

​そして、この冷え切った身体に最高のご褒美となったのが、池のほとりの茶屋「一休(ひとやすみ)」でいただける、焼きたての「みたらし団子」です。

大粒の団子が3つ刺さっていて、一口頬張ると温かくて、驚くほど柔らかいお団子の食感が口いっぱいに広がります。

炭火の香ばしさと甘辛いタレが、冬の参拝で凍えた指先から身体の芯までじわりと染み渡っていく瞬間。

こういう場所で食べるものって、味以上に“記憶に残る”んですよね。

この一口のために、冬の鹿島を訪れたと言っても過言ではないほど、幸せなひとときでした。

​参拝の余韻と、心地よい疲れ

​お団子で心もお腹も満たされ、あとは戻るだけ……と意気込んだのも束の間。

御手洗池から本殿へと戻る道は、想像以上の急な上り坂でした。

冷えた空気の中で吐く息は白く、一歩一歩踏みしめるごとに足に重みを感じます。

「意外と疲れるな」と苦笑いしながらも、その心地よい疲労感さえ、神域でいただいた清々しいエネルギーの証のように思えました。

鹿島神宮の基本情報とアクセス

所在地茨城県鹿嶋市宮中 2306-1
拝観時間24時間可能
拝観料無料
アクセス・JR鹿島線「鹿島神宮駅」より徒歩10分
・東関東自動車道潮来ICより15分

※最新情報は公式サイトでご確認ください。

これから訪れる方への、私からのささやかなアドバイス

​駐車場

土日でも場所を選べば案外スムーズですが、初詣などは想像以上の混雑に。

早めの到着が吉です。

服装

鹿島神宮での滞在時間は、ゆっくり回っておよそ1時間。

参道は砂利道が多く、御手洗池からの戻りは上り坂です。情緒を楽しみつつも、ぜひ「歩きやすい靴」で訪れてください。

​時間の余裕

行列ができることもあるので、30分で駆け抜けるよりは、1時間ほど時間をとって、あの「異世界の静寂」に身を委ねるのがおすすめです。

おわりに

​鹿島神宮での濃密な体験は、単なる観光を越えた「心の洗濯」のような時間でした。

一年の始まりに、あるいは自分を見つめ直し、新たなスタートをきりたいときに。

冬の鹿島神宮は、あなたの訪れを静かに待っています。

敢えて行かないことを選択した旅。その余裕こそが、大人の旅の楽しみ方なのかもしれません。

日本各地に存在する、子供の病気平癒や幸せへと導いてくれる社寺の記事はこちら。

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このブログを書いている人

旅ライター。個人で旅ブログを運営しています。
京都を中心に、季節のうつろいとともに旅をしています。
古い町家や静かな宿、朝の空気がきれいな場所が好き。
忙しい日常の合間に、ふっと深呼吸できる旅のヒントをお届けできたらと思っています。
どうぞ、気ままにのぞいていってください。

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