阿古屋茶屋の漬物メニュー紹介|薄皮の南高梅や瑞々しい高菜に、漬物の本気が溢れ出す

​あらかじめ、ひとつお詫びをさせてください。

今回の記事には、お料理の写真が一枚もありません。​

カメラを構えることすら忘れ、ただ目の前の「お漬物」という芸術品と向き合ってしまいました。

シャッターを切る数秒さえ惜しくなるほど、その一皿一皿が放つ輝きに心を奪われてしまったのです。​

しかし、写真という視覚的な情報に頼らず「記憶に深く刻まれた味」を文章でお伝えしていこうと思います。

ぜひその美しい見た目と味を、現地で確かめていただきたい。

そんな、ちょっぴり強気で、でも愛に溢れた言い訳を添えて。

阿古屋茶屋さんの「本物」の味を綴らせていただきます。

阿古屋茶屋から徒歩圏内の清水寺。ランチの前に静かな早朝の参拝はいかがでしょうか。

目次

炊き立てのご飯と、色とりどりの宝石たち​

暖簾をくぐり案内された席に座ると、まず目に飛び込んでくるのは整然と並べられたお漬物たちの姿です。

その瑞々しさは、まるで京都の朝露をまとっているかのよう。

20種類以上並ぶお漬物たちは、どれも主役級の輝きを放っています。

​私がこの店を訪れるたびに感じるのは、「お漬物は単なる脇役ではない」ということです。

ここではお漬物が主役であり、ご飯はそれを引き立てる最高のパートナー。

そんな贅沢な逆転現象を楽しみながら、私のお気に入りの一皿を作っていきます。

​定番から変わり種まで。こだわりを感じる漬物たち

1. 驚くほど瑞々しい「野沢菜」​

まず箸を伸ばしたのは、鮮やかな緑が眩しい野沢菜です。

正直なところ、私はこれまで「野沢菜=少し歯ごたえの強い、保存食」というイメージを持っていました。

しかし、阿古屋茶屋の高菜を一口食べて、その先入観は見事に打ち砕かれました。

​とにかく「みずみずしい」のです。

噛むたびに溢れ出す野菜の水分と、絶妙な塩味。

野沢菜特有の香りが鼻を抜け、その後から追いかけてくる優しい旨味。

これだけでご飯が何杯でも進んでしまいそうで、最初から飛ばしすぎないよう自分を律するのが大変なほどでした。

​2. 梅干しマニアも唸る「南高梅」の優しさ​

私は自他共に認める「梅干しにはうるさい」タイプです。

塩分濃度や果肉の質感、皮の厚み……梅干し一つでそのお店のこだわりが見えてしまうと思っています。​

こちらの梅干しを一目見て、「これは……」と確信しました。

おそらく、最高級の南高梅でしょう。

箸で持ち上げようとすると、その柔らかさに驚きます。

皮が非常に薄く、口の中でとろけるような質感。

そして何より、その塩気がとても優しいのです。

ツンとした尖った酸味ではなく、梅本来の甘みと酸味が調和した、上品な味わい。

そのままいただくも良し、お茶漬けの最後に少しずつ崩しながらいただくも良し。

時間は、まさに至福のひとときでした。

​3. 永遠の定番、安定の「ゆず大根」​

お漬物の基本であり、その店の姿勢が最も現れるのが大根ではないでしょうか。

その中でも阿古屋茶屋の「ゆず大根」は、まさに安定の味。

ポリポリとした小気味よい食感。

噛むほどに広がる大根の甘みとゆずの香り。

派手さはないかもしれませんが、「ずっと食べていられる」というのは、お漬物にとって最大の賛辞だと思うのです。

他のお漬物の合間に、リセットとして、あるいはメインとして。

気づけば何度もおかわりをしてしまう、不思議な魔力を持っていました。​

4. 出汁を湛えた「ナス」の誘惑

ナスのお漬物は、その見た目の美しさもさることながら、口に含んだ瞬間の幸福感がたまりません。

つけ汁をたっぷりと吸い込んだナスは、噛むとジュワッとみずみずしさが弾けます。

それはまるでナスそのものが飲み物になったかのような感覚。

皮の絶妙な歯ごたえと、中のとろりとした食感のコントラスト。

これは、家庭ではなかなか再現できない、職人の技を感じる一品でした。

​5. 嬉しい驚き、「きのこ」のお漬物​

今回、特に新鮮な驚きを与えてくれたのが、きのこ(エリンギ)のお漬物です。

お漬物のラインナップにきのこがあるのは珍しいですよね。

きのこ好きの私としては見逃せませんでした。

これがまた、食感のアクセントとして最高なのです。

少しぬめりがあり、キュッとした独特の歯ごたえ。他のお野菜とは明らかに違う存在感で、「いい箸休め」として全体のバランスを整えてくれます。

お漬物の世界にこんな広がりがあるのかと、改めて感動しました。​

6. シャキシャキとろり、「長芋わさび」の清涼感​

同じく箸休めとして優秀だったのが、長芋です。

長芋独特のシャキシャキとした食感と、後から来る粘り気。

とくに「長芋わさび」のさっぱりとした味付けとわさびの鼻に抜ける清涼感が、少し濃いめのお漬物でお口の中が賑やかになったタイミングで、ふんわりと優しく包み込んでくれます。

一口ごとにリフレッシュされ、また次のお漬物へと箸が進んでしまいます。

阿古屋茶屋にひとりで訪れた時の記録。お店を出る頃、心地よい満腹感に包まれていました。

阿古屋茶屋の基本情報

式サイトhttps://www.kashogama.com/akoya/
営業時間平日:11~16時 (15時最終入店)
土日祝:11~17時 (16時 〃  )
価格1,950円 (税込み)
※小学三年生以下: 950円
※四才以下: 無料
時間制限なし
予約不可※当日10時より受付開始
アクセス清水寺 徒歩6分
八坂神社 徒歩10分
清水道バス亭 徒歩6分
京阪祇園四条駅 徒歩18分

おわりに

お漬物と対話する、豊かな時間​阿古屋茶屋での時間は、単なる「食事」ではありません。

季節を感じ、素材の息吹を感じ、一粒のご飯とお漬物の調和に感謝する。

そんな、現代人が忘れがちな「食の丁寧さ」を取り戻させてくれる場所です。

​お出汁をかけてお茶漬けにする贅沢はもちろんですが、まずはそのまま、一口ずつお漬物を味わってみてください。

そこには、野菜たちが持つ力強さと、それを引き出す丁寧な仕事ぶりが詰まっています。

「美味しい」という言葉だけでは足りない、心が満たされる感覚。

京都を訪れた際は、ぜひこの「瑞々しい幸せ」を、皆さまにも五感で味わっていただきたいと心から願っています。

同じ東山区にある縁切り神社「安井金毘羅宮」。そこは自分を取り戻すための場所でした。

​同じ東山区にある「みなとや幽霊子育飴本舗」。歴史ある「子育飴」を作り続ける老舗です。

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このブログを書いている人

旅ライター。個人で旅ブログを運営しています。
京都を中心に、季節のうつろいとともに旅をしています。
古い町家や静かな宿、朝の空気がきれいな場所が好き。
忙しい日常の合間に、ふっと深呼吸できる旅のヒントをお届けできたらと思っています。
どうぞ、気ままにのぞいていってください。

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